なぜ、いま、リハビリテーションなのか?
~『笑顔の山分け』を楽しんでほしいのです~
心臓リハビリテーション
心筋梗塞や狭心症、バイパス手術・冠動脈ステント術を起こしてしまった方はこれまでどうしてきたでしょうか?心臓が悪いからあまり運動しないで安静にしてるほうがいいのでしょうか?つい最近まで私の先輩も含めてそのように考えてきました。しかし、それが間違っていたのです。反対だったのです。運動した方が心臓は丈夫になるということがわかってきたのです。正しく心肺機能を把握するために、心臓を鍛えるけれども無理のないの運動量を決める器械があるのです。
心肺運動負荷試験:CPX といいます。アスリートがマスクをして自転車にまたがっているあれです。心電図をつけながら、吐く息を器械が瞬時にガス分析してくれるのです。その器械の結果から、安全でありながら心臓が丈夫になる運動量を決めれることができるのです。
このような心臓リハビリは、堺市内のいくつかの病院で行われていますが、患者さんの通院が大変なのです。このリハビリは一生続けることが大事なので、クリニックの外来で行うのが理想です。身近な場所で容易に通院できる施設で行うことは継続性を担保してくれます。
通所リハビリ
日常診療で抑うつ傾向の独居の方がデイケアに行くと目を輝かせるようになったり、寝たきりになりかけた老婦人が通所リハに行くことで、急にしっかり歩きだすなど、リハビリの効果は絶大です。最近、思います・・・・・介護支援を受けている患者さんたちが自分たちへの医療費増加を心苦しく思うことが目指すべき医療でしょうか?リハビリをきちんとして、天国に逝く直前まで自分のことはできるだけ自分でする事こそがその方の尊厳です。それが第一です。健康寿命を延ばせば、忙しい家族への介護負担を減らすことができ、内服薬が減らすことができ、日本の医療費を減らすことにつながるかもしれません。人口減少社会です。「私は生きていても仕方がない、意味がない」ではなく、『笑顔の山分け』で患者さんもスタッフも楽しくしていると、日本の将来、まんざらでもないなと思っています。
生活習慣の改善
以前から申し上げている通り、長年の習慣の改善は、薬を出すだけではご利益はごくわずかです。動脈硬化の上流に高血圧症、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満。さらにその上流に生活習慣という問題があります。患者さんの考え・人生観、嗜好へのこだわり、仕事に対する考え・ストレス等で長年かけて形づくられてきた生活習慣は、よほどの出来事がない限り軌道修正するのは困難です。月に一度の10分足らずの診療だけで改善できるものではありません。
そこで、運動指導のプロ=理学療法士、栄養のプロ=管理栄養士を新しい仲間に迎え、生活習慣の改善にさらに力を入れることを決意いたしました。